新年あけましておめでとうございます!
お久しぶりです。神戸注文住宅IDA HOMESの工務担当です。
昨年も大変な1年でしたが2021年を迎えてもなお、新型コロナウイルスの勢いは衰えることなく関西圏も緊急事態宣言が発令され、油断のできない状況が続いています。今年も感染対策をしっかりして皆さんコロナに負けずに頑張っていきましょう。
今回私が製作にチャレンジしたものは『宙に浮く?テーブル』です。
年末か年始のテレビ番組で紹介されている映像を見て実に面白い仕組、構造だなとすごく興味がわいたので実際どんな感じなのか、ぜひとも自分の手で作ってみて検証したいと考え、この構造のサイドテーブルを作ってみることにしました。
このテーブルは実際には宙に浮いているわけではなく、浮いているように見えるということのようです。
調べてみるとテンセグリティーといわれる概念をもとにした構造で、それは一般的な構造物とは異なり、圧縮材が互いに接続されておらず、張力材とのバランスによって成立している構造との事でした。
※ちなみにテンセグリティーとはTension(張力)とIntegrity(統合)の造語でネットで検索すると様々な解説が出てくるので詳しく知りたい方はそちらのほうでお願いいたします。製作例も多数あり、参考になります。
うまく出来るかどうかはわかりませんがとにかく製作開始します。
果たして本当に浮いているように見えるのでしょうか?
簡単な図面を書いてみます。理屈では中心の張力材と周りの張力材のバランスで自立できるはずです。
まずはいつものように材料の加工切り出しです。
フレーム、天板部分は余り物のイタウバ材(フレーム部分)、ラバーウッド材(天板部分)を使い、張力材は今回1.5mmのステンレスワイヤーを使用します。
天板は2枚の板をダボとボンドで接合した後、8角形に加工、面取りします。
それぞれのパーツを組立前にペーパー掛け+着色しました。
土台部分と天板部分を組み立てます。
仮に木で支えて宙に浮かし上下パーツをワイヤーにて繋ぎます。
さて、うまく自立できるでしょうか?楽しみです。
支えの木を外すと逆さまですがたしかに土台パーツが浮いているかのように見えます。
あとはひっくり返して天板の水平と構造の強度をワイヤーのテンションで微調整していきます。
宙に浮く?テーブルの完成です。
『なるほど!こんな感じか』というのが実際にできたものを見ての最初の感想です。
このテーブル縦方向は割としっかりしているのですがワイヤーのテンションを強く掛けても横方向にはやはりユラユラと揺れます。揺れている天板をじっと見ていると酔ってしまいそうです。(笑)この仕様だとしょうがないんですけどね。ワイヤーの本数を増やしたり、強度を上げたり、張り方、張り方向を工夫すれば揺れも少なくなり安定していくのでしょうがたぶんワイヤーだらけになってしまうでしょう。このユラユラしたところがまた浮遊しているような感じがして良いのかもしれません。
前回製作したデスクの横に置いてます。
どうでしょう?皆さんこのテーブル宙に浮いているように見えますか?
この構造についてネットなどで画像を見たり解説を読んだりしてある程度理屈ではわかっていたのですが実際に自分で製作し、触れてみて、構造の強度、動き方や力のかかり具合等イマイチわかりにくかった部分を理解することができ、とても良い経験となりました。
また機会があればこの構造で椅子なんかを作ってみてどんな座り心地なのかを体感するのも面白いかもしれませんね。
それではまた!
担当:工務