こんにちは。兵庫・神戸注文住宅IDA HOMESのHaseです。
今回は、タイトルにもありますキッチンカウンターにスポットを当ててお話ししたいと思います。
料亭やレストランのように、自宅のキッチンカウンターで食事をすることに憧れる方も多いのではないでしょうか。
なによりカウンターの良さは、料理をする人と食べる人が食材を挟んで向かい合い、気軽に語り合うことで一体感やライブ感が生まれるところだと思います。以前、妹が「料理を食べながらマスターとお喋りするために通ってるバーがある」と話していたことがありますが、まさにそういうことだなと。納得。
しかし、ただキッチンの向かいにカウンターを設置すればよいという訳ではもちろんなく、普段どのようなシーンで使うのかによって、カウンターのサイズや高さ、キッチンとの配置関係が考えられた、住まいに合ったカウンターでなければならない!というのが難しいところでもあり、そこをどう上手く工夫するのかが建築の面白さでもあります。
一般的に、食器やグラスなどを置いて納まるカウンターの奥行は45cm~50cmといわれています。30cmほどのキッチンカウンターも多く見られますが、料理や食事後のお皿などを一旦置いたり、飾り棚として使い勝手のよい広さなので、食事をするにはもう少し広い幅が欲しいところ。
またキッチンの高さに合わせてカウンターを設置すると、ミドルカウンター※1 になり標準的なダイニングテーブルよりも天板の高さが高くなります。
その場合、座ったときに足のつま先がギリギリ付く高さの椅子を合わせることになるので、「家族でゆったり食事をする」というシーンを想定すると、ダイニングテーブルと同じ位の高さのローカウンター※2 が理想的ではないでしょうか。
レストランやバーにあるハイカウンター ※3 やミドルカウンターを想像していただくと、分かりやすいかもしれません。テーブルの位置が高くなるため、必然的に座る椅子がハイチェアーなことが多く、足が床につかないことでどこか緊張感もあります。もちろんスタイリッシュで格好良いですが、日常を過ごす住まいであれば、緊張感よりも安定感や落ち着きのあるローカウンターが生活にフィットするように思います。
また、カウンターで気になるのが、視線の高さ。
向き合って、料理する側と食事をする側のどちらかの視線が見下ろしになってしまうと圧迫感を感じやすいので、視線の高さを合わせることが、ゆったりとした寛げる空間づくりには大切になります。
それらを踏まえたうえで、ゆったり食事をするためには ①奥行が45cm以上 ②高さが70cm前後 ③視線の高さが合う この3つを備えたカウンターが住宅のキッチンカウンターとして理想的なのでは・・・と私は考えます。
「暮らしをハイエンドにする家」のカウンターは、奥行50cm 高さが75cm と、まさに理想的なサイズ感。
また、キッチンの床をカウンター側の床の高さよりも一段低くすることで、視線の高さを合わせる仕掛けを施しています。
またカウンターの高さをキッチンよりも少し高くすることで料理を作っている手元を隠すことが出来、リビングからキッチンを見たときにすっきりとした印象になります。
「インテリアを包む家」のカウンターは、幅70cm 高さが80cm で、よりゆったりと落ち着いた雰囲気。
こちらも「暮らしをハイエンドにする家」と同様、料理をしている人と食事をする人の視線が同じになるよう、キッチンの床をカウンター側の床の高さよりも一段低くしています。
またキッチンはタイル、リビングはフローリングと床の素材を変えてゾーン分けをすることで、カウンターのあるキッチンがぐっとシックで特別な雰囲気を醸しだしています。
カウンターひとつ取っても、用途やシーンを想定して細部にこだわりを持って造ることで、生活に馴染む、居心地のよい空間をつくることが出来ると考えます。そう考えると、住まいづくりの奥深さをより感じますよね。
これは余談ですが、バーカウンターは世界各国にありますが、カウンターで料理人と対峙して食事をするという文化は日本独自のものだそうです。意外ですが、確かに寿司や天ぷら、蕎麦などカウンターで食事が出来る場所が日本には沢山ありますが、海外ではあまり見られないような気がします。
追伸
最新作がはじまった水曜どうでしょうの企画が「家を建てる」だと分かり、工務店に勤める者としては興味深い限りで、これから毎週見るのが楽しみです。
※1 キッチンの流しと同じ位の高さ(95cm前後)
※2 家庭用ダイニングテーブルと同じ位の高さ(70cm前後)
※3 バーカウンターと同じ位の高さ(1050mm程度)