こんにちは。神戸注文住宅IDA HOMESのHaseです。
以前、オットーワーグナーの郵便貯金局をご紹介した「建築さんぽ in ウィーン」の第2話と題して、今回もウィーンの街を散歩しながら訪れた建築をご紹介したいと思います。前回の Vol.221 建築さんぽ in ウィーン はこちら。
今回、ご紹介するのはフンデルトヴァッサーハウスと、フンデルトヴァッサー美術館。
建物の名称にもあるように、どちらもオーストリアの建築家であるフンデルトヴァッサーの建築です。
フンデルトヴァッサーという初めて名前を聞いた方もいらっしゃるかもしれませんが、彼の建築は意外と身近なところにあります。大阪の舞洲にあるゴミ処理場と聞くと、ピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ゴミ処理場で連想するイメージからは想像出来ない、赤・青・黄色といったビタミンカラーをふんだんに使ったカラフルな色合い。そして凸凹や波打つような外壁を持つ不思議な建物は、まるで絵本から飛び出してきたようです。関西国際空港へ向かう道中、阪神高速から見える姿が、遠目ではありながらも一際存在感を放っているので、見たことのある方も多いと思います。
学生の時に一度、郊外授業で訪れたことがありますが、職員の方が「遠くからでも目立つカラフルな建物なので、たまにUSJと間違えて来る人がいるんですよ」と話されていたのが印象的でした。USJと見間違うほどに、テーマパークのような雰囲気をまとったゴミ処理場って聞いたことない!
余談ですが、ウィーンのゴミ処理場のデザインを手がけたのもフンデルトヴァッサー。大阪の建物と外観の雰囲気もよく似ていたので、兄弟や姉妹のように思えてトラムの窓越しに見えたとき親近感が湧きました。国境を越えて、同じ建築家の同じようなデザインの建築があるって結構不思議な感覚です。
前置きが長くなってしまいましたが、そんな実は日本にも馴染み深いフンデルトヴァッサー。
今回訪れた2つの建物は、それぞれが徒歩圏内に位置しているので、ちょうどよいお散歩コースになっていました。
美術館の中は、フンデルトヴァッサーの生涯を辿るような展示で、建築の設計図や模型の他にも、建築の持つ世界観にもつながる絵画やイラストが飾られていて見ごたえがありました。
個人的に建物の床が特に印象的で、不規則で幾何学的な柄や、波打つような凹凸を施した立体的なデザインに大胆な遊び心を感じました。
フンデルトヴァッサーハウスはオーストリアの文化遺産に指定されている建築物ですが、ウィーンの市営住宅でもあり、現在も実際に市民の方が住まわれているそうです。ですので、建物の中には入れませんでしたが、外観を眺めているだけでも随所に面白さがありました。
ハウス前の広場も、彼の建築とのつながりを感じるようなデザイン。床が盛り上がって出来たような小さい丘がいくつもあり、その傾斜に腰掛け木陰でくつろぐ雰囲気が素敵でした。
ウィーンの街を歩いていると、道や広場にベンチや腰掛けられるスペースがたくさんあることに気付きます。道に迷って慌ててしまったときも「そこのベンチに座って、もう一度地図を見てみよう」と”ちょっとひとやすみ”が出来るだけで、気持ちを切り替えられたり落ち着けたり、心にゆとりが持てる気がしました。ウィーンの街が、世界のなかで住みやすい都市1位に選ばれている理由はこういうちょっとした所にもあるのでは…と感じたお散歩でした。
追伸
フンデルトヴァッサーハウス1F部分の天井が、アーチのような半円形になっていたので、この真上・2Fの床は果たしてどんな形をしているのか、シンプルに構造が気になって仕方なかったです。
担当:事務