正方形の白い箱が水辺に浮かんでいるように見えるこの建物。
この建物は、鈴木大拙館にある思想空間棟です。
鈴木大拙館は、石川県金沢市にある、金沢市出身の仏教学者である鈴木大拙に関する文化施設。
最近、パソコンのデータを整理していた時に、写真が出てきたので思い出しながら今回は投稿したいと思います。
建築好きな友人が「金沢へ来たなら見せたい建物がある」と連れていってくれたのが鈴木大拙館でした。開館は、2011年と比較的新しい建物で、私が訪れたのは7年程前なので建って間もない頃でした。
街に開かれた開放的な金沢21世紀美術館の後に訪れたこともあってか、住宅街の奥にひっそりと佇んでいる鈴木大拙館は、どこか対照的で閉鎖的な印象を受けました。
館内を見学していくと、中庭のように設けられた水面の空間「水鏡の庭」にたどり着きます。
水鏡の庭は、周りを石とコンクリートの壁に囲まれており、閉鎖的ではありながらも息苦しさはなく、静かで澄んだ空気感を感じる不思議な空間です。
この水面部分がコンクリートであれば、もっと無機質な印象になっていたかもしれませんし、芝生を敷いた緑あふれるものであれば自然の持つ初々しい活力を感じていたかもしれません。
しかし、水面であることで無機質でありながらも潤いのある、それでいて一定の静けさを保つような、思想空間棟の持つ幻想的で沈黙を引き出す空間になったのだと私は思いました。
自分の撮った写真を見ながら、訪れた建築を振り返る“おもひでぽろぽろ投稿”は今後も続くと思います(笑)
追伸
水平で直線的なモダンな建物と、そこに沿うように広がる鈴木大拙館の水面空間は、スペイン・バルセロナで訪れた、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナパビリオンのような雰囲気も感じました。
少し似ているように思ってしまうのは、私だけですかね?//