今回は、新調した我が家の家具についてお話ししたいと思います。
みなさんは「カリモク60」をご存知でしょうか?
家具メーカーのカリモクが展開しているシリーズのひとつで、カリモクが1960年代に生み出した商品の中から、最も普遍性のあるものを、当時のままのデザインで復刻したのが「カリモク60」シリーズです。
インテリア業界では、1940~1960年代にデザインされた家具やインテリア、建築物などが「ミッドセンチュリースタイル」「ミッドセンチュリーデザイン」等と呼ばれ、この時代を表す言葉としても使われています。
ミッドセンチュリーの時代に活躍したデザイナーは、ジョージ・ネルソンやチャールズ&レイイームズ、ハンス・Jウェグナー。日本では、バタフライスツールの柳宗理が代表的です。
チャールズ&レイイームズの「シェルチェア」やハンス・J・ウェグナーの「Yチェア」は、現在でも憧れのチェアデザインとしてインテリアショップなどでも良く見かけます。
改めて考えると半世紀も前のデザインが、今でも人々が憧れる存在として最前線を走っていることは凄いことのように思います。
また、IDAHOMESのギャラリーにあるルイスポールセンのPH5は、1958年にポールヘニングセンがデザインしたペンダント照明で、これもまたミッドセンチュリーの時代に生まれたデザインのひとつです。
そして日本の1960年代という時代は、まさに高度経済成長期の時代。ミッドセンチュリーに生まれた様々な新しいデザインに影響を受けながら「世界に通用するモノづくりを!」といった熱い思いが形になりつつあった時代だったのではないかと想像できます。まさに、そんな時代に生み出されたのがこの「カリモク60」シリーズのデザインという訳です。
カリモク60の公式サイトを訪れると、コンセプトとして「単なる復刻ではありません。今という時代への普遍性の提案です。」※以下省略と掲げられています。
多様で新しいデザインが生まれつづけている世の中で、新しいものを生み出すだけでなく、古いけれど良いものを時代を更新しながら普遍的なものに蘇らせていく。そう考えると、デザインの持つ可能性をとても感じます。
そして今回私が購入したのが、カリモク60のロビーチェア。
ロビーチェアの座面には、モケットグリーンというタイプのものを選びました。
モケットグリーンは、カリモク60の中でも黒革が印象的なスタンダードブラックと並んで最もポピュラーなタイプ。「カリモク60といえば」「カリモク60っぽい」の代表格でもあるので、みなさんもどこかで見たことがあるかもしれません。
モケット素材の魅力は、冬はあたたかく夏は蒸れにくいという機能性とデザイン性を兼ね備えているところでしょうか。生地の中でも耐久性、耐摩耗性に優れているそうです。メンテナンスとしては、専用の耐水スプレーを座面全体に吹きかけて半日程乾かすだけ。
個人的には、阪急電車のシートを思わせるような素材感だな~と思ったりもして気に入っています。モケットグリーンの上品なグリーンカラーはクラシックなイメージもあり、落ち着いていて空間に馴染んでくれます。
カリモク60の、復刻でありながらヴィンテージ感を感じさせるだけではなく、今の時代にもフィットするまさに普遍的なデザインが魅力だと感じています。家具のフォルムやカタチは、シンプルでありつつも素材や色合い飽きのこないデザイン。ロビーチェアに合わせて、オットマンや他のチェアも少しずつ揃えていきたいというのが、我が家の今の密かな住まい計画です。
担当:事務