昨年4月に最大震度7の地震が熊本を襲い、熊本を代表する建築物であり国の重要文化財でもある熊本城も大きな被害を受けました。
そして震災から1年以上経過した今も復興活動は続いています。
先日、初めて熊本を訪れたのですが、その時に熊本城へも足を運んできました。
足場が組まれ工事が行われている部分もありましたが、地震によって崩れたままの状態で残っているところもまだまだ沢山ありました。
大きく崩れ、傾いた屋根や石垣を実際に目の前にすると、何と言っていいのか言葉がすぐに出ず、ただただその光景を見つめることしか私は出来ませんでした。そして、当時の被害の大きさや悲惨さを訪れた人々に語りかけているかのようにも思えました。
そんな熊本城を見学するなかで、特に印象的だったのが戌亥櫓(いぬやぐら)。
震災後、戌亥櫓は、隅石一本で櫓を支えているその姿から「奇跡の一本石垣」「踏ん張る一本柱」と呼ばれているそうです。
戌亥櫓は、初代藩主の加藤清正が熊本城を完成させた当時から建っていましたが、明治時代に一度取り壊され、2003年に復元された比較的新しい櫓。復元には新しい石材が使用されていますが、石垣を組み上げる技術は400年以上前のものが採用されたそうです。
地震によって石垣が崩れ、倒壊してもおかしくない状況の中で、角に残った1本の隅石で櫓を支えられているのは、時代を越えて建設当時の技術や職人の想いが受け継がれた証のようにも思えました。
自分自身に何が出来るのかと考えれば、その答えはなかなか難しいですが、実際に現地へ行って自分の目で見なければ分からないことは沢山あると改めて感じた時間でした。
踏ん張って欲しい。頑張って欲しい。
また近いうちに必ず行きます、熊本。
担当:事務