大阪に住んで、もう5年程が経ちます。
この季節、毎年花火大会は必ず見に行きますが、今年は今まで見て感じてきた花火とは違う花火の見方を出来たように感じました。
私は花火大会へ初めて行ったとき、視覚的に新鮮な驚きを感じました。
花火の形そのものや、色、演目の構成はもちろん、花火を眺める人達の拍手や喜びの表情など、花火を取り囲む空間全体に注目する時間。そんな時間が流れるなか、今年はより花火そのものが持つ生命力を味わえたように思います。
火薬と金属の粉末を混ぜて包んだものが火を付け、空へ飛んで燃え、自身が到達出来る高さのリミットを目指す。そして、最後に最高点の高さで破裂・爆発し、夜空を照らす輝きとなって咲く花火。
最初の花火が打ち上げられてから約一時間の間、花火は異なるリズムや色彩、軌跡、組み合わせで、一生懸命夜空に向かって、全ての力を出して、自身の持つ彩りと一種の叫びのようなものを爆発させます。そうして夜空を照らしながら、見ている人々に一瞬の喜びと幸せをもたらしてくれます。
でも、ただ一瞬だけなのでしょうか?
私には、一瞬でなく永遠に続くようにも思えます。
私たちも、花火と同じなのかもしれません。
それぞれが異なる文化や言語、考え、スキル、職業を持ちながら、それぞれが同じように自分の目標を向かって、一生懸命上を向いて花開こうと頑張っています。私自身、最も大きな花火になれるとは思っていませんが、ただ花火を眺めて拍手を送る受け手となるだけではなく、出来るだけ大きな花火を打ち上げられるような人になりたいと思っています。
日々の一瞬一瞬のなか、誰しも花火のように咲き誇る瞬間があるはず……と思う夏の終わりです。
担当:設計