私達の事務所は2階と3階にあります。
毎日上がったり降りたり…。
「手すりの太さが、どの位が握りやすいか確認している」とか言いながら、
上がる際には手すりが必須な設計担当です。
「デザイン上、手すりっていりますか?」なんて無茶苦茶な事を言ってた!
なんて頭をよぎった記憶力の素晴らしいお施主様・・・過去は忘れてください!笑
『敷地をしっかり読み込む』『つながること』に続き、今回は、『気持ちの良い場所』についてです。
これも私が設計に携わる上で大切にしている事の1つです。
気持ちの良い場所とは、
・ 太陽がいっぱい降り注ぐ場所
・ 風が通り抜ける場所
・ 空が抜ける場所
・ 緑を感じる場所
・ 遠くを見通せる場所 ・・・等
これらは敷地環境がもつ特徴に大きく関わります。
敷地の中で完結する場所では、
・ 静寂な場所
・ 柔らかい光に包まれる場所
・ まったく物が無い場所
・ 趣味の物に囲まれた場所
・ ただただ広い場所
・ すぐに必要な物に手が届く場所 ・・・等
これらは、手を加える事で実現出来る可能性の高い場所です。
これらの条件は、1つだけと言うことはありません。
組み合わされて初めて『気持ちの良い場所』になることだってあります。
当たり前ですが、『気持ちの良い場所』は人それぞれ違います。
左上:大きなゲートのある家 右上:山の季節がある家
左下:空に暮らす家 右下:緑がつながる家
私達は、この気持ちの良い場所を知り、その場所が、一番滞在時間が長くなる様に考えます。
一般的には、リビング・ダイニングなどのパブリックスペースです。
もしかしたら、書斎等個室空間になるかもしれません。
そして、私達設計士は『気持ちの良さ』が創造以上に『気持ちよくなる』様に考えます。
例えば景色が良い場所で、どの様にその景色を見せるかを考えます。
全部なのか、半分なのか、足元だけなのか、等です。
それにあわせて素材も考えます。
この気持ちの良い場所が間違わなければ、その住まいは必ず住まい勝手の良い家になると思います。
当たり前の事ですが、計画を話し合う内に忘れてしまう事も多々あります。
この時の軌道修正がとても大切です。
住宅を計画される時に、ご家族で是非話し合って下さい。
「どんな場所が気持ち良いのか」を追求した有名な建築家が建てた家があります。
その家の家主は、屋根の上に登る事が昔から大好きで、一番好きな場所が屋根だったそう。
その建築家は、『屋根の家』と題して、屋根の上にテーブル等が備え付けられている住まいを造りました。
『気持ちの良い場所』を知っているのはお客様ご自身です。
私にも創造のつかない気持ちの良い場所をぜひ教えてください。
その気持ちよさの創造を超えれるように考えます!
敷地には、必ず気持ちの良い場所があるはずです。
担当:設計