夏本番…
日の出と共に自然と目が覚めて一日が始まる今日この頃。
元気なのか?年なのか?答えを見出せないまま、
手元のスマホを少し遠ざけて見ている設計担当です。
今回は、私が設計に携わる上で大切にしている事をお話します。
以前にも書きましたが、住宅を考える時は、はじめに『敷地をしっかり読み込む』事をします。
どこから風が通るのか?
どの様に日が差し込むのか?
近隣の建物との関係性は?
計画地には、どの様にしてたどり着くのか?
それらを見ながらその敷地のもつ特性を見つけます。
わかり易いのは、遠くに見える山が美しいとか、隣の庭の桜が綺麗とか、隣地の視線が気になる…など。
この様に、暮らしている様子をイメージしながら敷地をしっかり読み込むのです。
簡単にはなりましたが、ここまでが以前書いた内容です。
そして次に大切にしている事の1つが、この特性をいかに空間に『つなげる』かです。
例えば眺望が良い建築地に対して、その方向に開口部を設けるだけではなく、
どの様にすればその眺望を最大限空間に取り込み、生活につなげられるのか?
ひとつずつ、今までの施工例を元に見ていきましょう。
1.高低差を活かした眺望のある暮らし
この敷地は、高低差が6M程有り、普通なら右側の低い所まで切り崩して建物を建てますが、
そうすると目の前の家の屋根が景色の邪魔をしてしまい、せっかくの高台という立地が台無しです。
もし、左側の高い所まで建物を上げることができると隣家の存在は無くなり、見事な眺望が開けます。
では、どの様にして高い所で計画するか・・・
約5M角の柱の中に玄関・階段室・EV等をとり、その柱で高い所に計画した空間を支える事で、
余計なものが視界に入らない大パノラマと『つながる』生活空間が実現しました。
2.山の自然を生活に取り込む暮らし
次の敷地は西側が急な崖地になっており、そこには四季を感じる木々が覆い茂る雑木林のような敷地でした。
土地の購入時から、この雑木林に囲まれながら暮らしたいとの要望で、
子供も遊べる通常のお庭が見えるリビングにどの様につなげて、生活の中に季節を取り込むか?
芝生の庭~ウッドデッキ~生活空間~ウッドデッキ~雑木林と、異なる空間のつらなりを、
特徴のあるタイルで『つなぐ』ことで、芝生の庭(外部)から室内空間(内部)雑木林(外部)までが一体となりました。
また内部と外部の天井の高さを合わせ、視界を区切り両サイドの違う風景の庭を内部と連続させる事で、
視線が抜け、緑を存分に感じ、雑木林で冷やされた涼しい風が抜けるとても気持ちの良い空間が実現しました。
3.1階を地中に埋めたカーテンのない暮らし
最後の住まいは、道路との高低差が最大2.3Mもある市が造成した分譲地での計画です。
四方を隣家に囲まれた立地にも関わらず、外部からの視線を気にせずに、
カーテンのいらない生活と、庭でバーベキューを楽しみたいとの要望に、
どの様にして問題解決して外部空間とつなげるのか?
1階の生活空間を道路レベルまで掘り下げて土の中に埋めてしまいそれを大きく囲う事で、
近隣に圧迫感を与えずに外部空間と『つながる』生活スタイルが実現しました。
カーテンも必要無く、外部からの視線を全く気にしない開放的な空間となりました。
この様にして敷地の持つ特性を生活空間につなげる事は、
個人差は有りますが私たち住宅の設計に携わる者は皆考えます。
その答えの出し方が、設計者によって違ってくるのだと思います。
住宅を検討される時、そんな目でも図面を見て頂ければヒントになるのではないでしょうか?
IDA HOMESの『つながり』を是非見て下さい!
そして私は、今日も『つなげる』事で気持ちの良い空間が実現するかを考えます。
新しい出会いが喜びにつながるようにと願いながら…
担当:設計