先日、古民家改修のボランティアに参加してきました。
空き家の活用は以前からされてきてはいるのですが、空家対策措置法が施工されて以降、
より一層空家に対する意識が高まってきています。
空き家といってもほとんど壊れかけてしまっている家もあれば、
100年以上経った今でも活用できる古民家など内容は様々です。
雑誌を見たり、街を歩いていると、最近は古民家をリノベーションして住まいにしたり、
デイサービスや、カフェなど様々な用途に活用されていることがわかります。
今回僕が関わった古民家は、姫路市から少し西に行ったところにあります。
現在は昔の柱や梁は残しつつも、瓦葺の2階建に改築された物件です。
この古民家は将来的にギャラリーやカフェを通して、地域に根ざした文化や暮らしを伝える場を目指しています。
こうした場を作る背景となったのは、地域の遺産が忘れ去られてしまうのではないか、という危惧からです。
1つ取り上げると、この地域ではさば寿司やジビエを使用した郷土料理が存在しているのですが、
若い方達を中心に食べたことがない、その存在すら知らない、といった方達が増えているのが現状です。
つまり、引き継ぎがうまく機能しておらず、たとえ”物”は伝えられていたとしても、
作る過程や意味を知らないうわべだけの形式になっているのです。
こうしたことから、まずは地域の遺産を風化させないための場所作りをしています。
大きな物件かつボランティアの人数が少ないので整備にはまだまだ時間はかかりますが、とても勉強になります。
今回の活動を通して、古民家はその地域に根ざす文化や暮らしを未来へと繋ぎ、
十分な可能性を秘めている街の資産である、と痛感しました。
担当:設計