昨年の冬、今の新居に引越しをしました。
暮らし始めて半年ほど経った頃でしょうか。我家に小さな住人がやってきたのです。
私が庭でくつろいでいた時、ふと家の外壁の至る所に泥団子を投げつけられたような跡を発見したことが
事の始まりでした。
最初は「近所に住む男の子達に嫌われているのか?」と心配になったのを覚えています。
しかし、ツバメが巣を作ろうとしているのだと気付くまでにそれ程時間はかかりませんでした。
どうしたものかと一瞬考えはしたものの、これから起こりうる面倒を悩む間もなく、
娘たちが非常に喜んだので家族全員で見守る事になりました。
こういう時によく言われる“縁起が良くなった”ことを感じる瞬間は一度もありませんでしたが、
毎朝家族全員がヒナたちに関心を持ち、少しずつ育っていく姿を楽しみに観察するようになりました。
もちろん、糞の掃除は大変でしたし、ヒナの鳴き声は目覚まし時計に勝るものがありましたが、
お金では買えない何かをツバメたちから貰うことができました。
娘たちもそうですが、親である私が何より勉強させてもらった気がします。
家づくりを考える中で、「手間がかかるか否か」が選択を大きく左右することは多くあると思います。
しかし、色々と便利になる世の中で「手間がかかるからこそ得られる何か」を求め、
あえて選択するというのも必要なことだと、改めて感じさせられた一件でした。
記事担当:営業課