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神戸

Vol.003 神戸の魅力

2014.8.22

 

”神戸”
北を向けば青々とした緑広がる六甲山、南を向けば西洋の文化を幾度と取り込んできた
神戸港を見渡すことができる。
皆さんは、一体この”神戸”の街にどのような印象をお持ちでしょうか。

 

今回は、様々な顔をもつ神戸の魅力のひとつである“異人館”の中でも、
有名な北野エリアではなく、中心地から少し離れた塩屋に位置する、
旧グッゲンハイム邸についてお話しさせていただきます。

神戸 グッゲンハイム邸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧グッゲンハイム邸は神戸市垂水区塩屋町に現存する異人館。
建物の正面にポーチがつき、大きな窓やベランダが特徴的なコロニアルスタイルと
呼ばれる様式が特徴的で、1912年塩屋海岸を南に望む高台に
ドイツ人貿易商グッゲンハイム氏の自邸として建設されました。
その後、グッゲンハイム氏が1915年まで居住し、複数の所有者を経て現在に至っています。

100年以上も古くからそこに存在してきた建物特有の風格があるものの、威圧感はなく、
馴染みやすく居心地がいいのは、おそらく建てられた当初の用途である住宅、
つまりは「人が住まう為に建てられた建物」であるということが
大きく関係していると私は考えます。

誰かが、ここに住み毎日を快適に心地よく過ごすために。また異人館の場合、
国境を越え故郷から遠く離れた場所で暮らすという、リスクやストレスを軽減する
意味合いも、住宅に求められていたように感じます。
当時の日本が、まだ西洋の文化を取り入れ始めたばかりでありながらも、
その場所に住むという観点で西洋の様式や文化を取り入れながら、
街をつくっていった様子が、旧グッケンハイム邸に限らず、神戸の街を見ていると
強く感じ取れるようにも思います。

日本の文化と西洋の文化が反発し合うことなく、互いが上手く混ぜ合わさることで、
新しい文化がうまれていく・・・。それが、神戸の魅力のひとつではないでしょうか。

現在は住宅としてではなく、様々な行事やイベント、ワークショップなどを行う
人と人の交流の場所として、様々な分野に開けた場となっています。
イベントの種類は様々で、ヨガ教室や、手作りキャンドル・アロマ等のワークショップ
“塩屋音楽会”と名付けられて定期的に開催されている音楽ライブなどがあります。
(なかには、バリ舞踊の教室という珍しいものも!)

私が訪れた日は、塩屋音楽会の一環として、女性アーティストの弾き語りライブが
行われていました。

神戸 旧グッゲンハイム邸

個人的に、色々なライブを訪れてきましたが、こんなに歌い手と聞き手の距離が近いものは初めてでした。

例えるのであれば、「友人の自宅に招かれ、偶然立て掛けていたギターを片手に即興で友人が歌いはじめた」というくらいの親近感といった感じでしょうか。

ステージより前から何列かは、床に腰を下ろしてライブを楽しむというスタイルであった為、よりその近さを強く感じさせたのかもしれません。まさに、居間に招かれたような気分。そんな雰囲気が味わえるのも、住宅のもつ温かさや落ち着いた雰囲気を生かした、異人館ライブの魅力かと思います。

そしてなにより、初めは住宅という個人の所有物として建てられたものが、
時を重ねて地域に限らず様々な人々が集まる場所として、
姿は変わらずともその役割を変えて存在し、街に溶け込みながら愛され続けている
ところに、住宅や建築物の持つ大きな可能性を感じています。

三宮から電車で20分程と、神戸の中心地からは少し離れた場所に位置していますが、
「歴史のある建造物の見学として目で見て楽しむのもあり」
「イベントに参加し新しい分野に触れながら建物の雰囲気を体で体感するのもあり」と、
いろんな楽しみ方が出来る旧グッケンハイム邸。
神戸へ訪れた際には是非足を延ばしていただきたい素敵な場所です。

公式ホームページURL:http://www.nedogu.com/index.html

記事担当:事務

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